
今、スキマバイト(スポットワーク)の利用が急激に広がっています。空き時間に手軽に仕事ができるという柔軟さがもてはやされる一方、スキマバイト先でのトラブルも増加しています。
「契約と違う仕事をさせられた」「求人側からドタキャンされた」「予定より早く退勤させられ、早上がり分の賃金が支払われない」「不当に低い評価をつけられた」などは、そうしたトラブルの代表例です。
研究者や弁護士など、労働法の専門家でつくる私たち「非正規労働者の権利実現全国会議(非正規会議)」はこのたび、こうしたスキマバイトでのトラブルや疑問に応えるブックレット『それって大丈夫? スキマバイトQ&A』(旬報社)を出版しました。
トラブルなどの実例を交え、さまざまな視点から問題点や対処・解決法などを具体的に解説しています。
Q.はたらき先でトラブルになったのですが、アプリ事業者に責任はないのでしょうか?
A.アプリ事業者にも職業安定法上の義務があり、トラブルの内容や原因によっては責任追求できる場合があります
Q.マッチングは成立しましたが、仕事の当日になってキャンセルの連絡が来ました。賃金を請求することはできますか?
A.マッチングが成立した時点で労働契約が成立していることが多く、その場合は賃金を請求できます
Q.はたらき先に行く途中で交通事故に遭いケガをして、仕事に行けませんでした。労災保険を申請できますか?
A.通勤中の労災は適用されないと説明しているアプリ事業者もあるようですが、法律上は申請できます
スキマバイトを仲介するアプリ事業者は、あくまで職業紹介事業者であって法律上の「使用者」ではないとしています。しかし、形式的にその通りだとしても、実質的に使用者と一体になって活動していると考えられます。
労働者の賃金の30%を手数料として莫大な収入を得る一方、問題の多い働き方を広げるアプリ事業者には、何らかの規制が必要である─そうした問題意識を背景に、ブックレットを制作しました。
すでにスキマバイトをしている方、トラブルに遭遇した方、スキマバイトの問題点や労働者保護の法律・制度を知りたい方など、スキマバイトに関心を寄せる方は、ぜひお読みください。
『それって大丈夫? スキマバイトQ&A』(旬報社)
編著 非正規労働者の権利実現全国会議
出版年月日 2025年6月27日
スキマバイトとは何か? 違法な日雇い派遣の“復活”
こんなときどうする?
・仕事を“ドタキャン”された!
・“早上がり”で思っていたお金をもらえなかった!
・仕事の“評価”が不当に低かった!
・バイトアプリで“出禁”になった!
いま、スキマバイト(スポットワーク)が急激に増加しています。メディアでは、労働者のニーズに応じる新たな働き方であるとの宣伝が蔓延しており、とくに大手の「Timee(タイミー)」は、テレビCMも大々的に行い、知名度も高く、多くの人が利用しています。非正規全国会議では、労働相談を通じて明らかになった問題を指摘し、Q&A形式でスキマバイトの法的な疑問に答えます。