非正規会議とは|非正規労働者の権利実現全国会議

非正規労働者の権利実現全国会議とは

(1)調査・研究とその交流
(2)立法・制度案、法的救済策の検討
(3)情報の提供・普及・広報

私たち「非正規労働者の権利実現全国会議(非正規会議)」は、上記の活動を通じて非正規労働者の雇用と暮らしの質を高め、権利の実現に貢献することを目的として、研究者・法律実務家などを中心に活動しています。


■設立 2009年11月22日
■代表幹事 脇田滋(龍谷大学名誉教授)、中村和雄(弁護士・市民共同法律事務所)

呼びかけ文 ■よびかけ人活動内容
規約(2009年11月22日成立、2010年12月11日改正)
人事体制(2010年12月11日)


呼びかけ文

2009年11月22日

 日本の非正規労働は、不安定雇用はもとより、差別待遇と自立して生活できない低賃金を特徴としていますが、それにとどまらず、非正規労働者は、法律が保障する最低基準の労働条件の確保や団結権など当然の権利さえ実現できないという状況のもとにあります。最近では、景気の悪化を理由とする期間途中の安易な契約破棄や雇い止め、長時間労働による過労死・うつ病や労災による死傷事故の多発、職場における「いじめ」や「ハラスメント」の増加など、非正規労働者をめぐる状況はますます深刻となっています。

 非正規労働は、従来、主に女性や現業部門など社会的に弱い立場にある労働者に集中して、彼ら・彼女らの労働と生活の質を大きく低下させ、無権利を拡大してきました。しかし、最近ではそれは若年層全体を中心に性別や業種を問わず広がっており、近い将来、非正規労働が日本の雇用労働の支配的形態になろうとさえしています。労働団体も非正規労働問題への関心を強め、その改善を求めるようになっています。政府も、最近の「労働経済白書」や「経済財政白書」で、非正規労働の広がりによって生じた問題を率直に指摘し、社会的格差や貧困の広がりに警鐘を鳴らして、改善の必要性を指摘しています。

 非正規労働の問題は、いまや、「労働問題」の次元を越え、「社会問題」、さらには、人間の尊厳に関わる「人権問題」という性格を強く帯びています。また、非正規労働者の権利侵害が放置されることにより、正規労働者についても、「雇用が保障されるだけまし」との理由で、労働条件切り下げや権利侵害が蔓延しようとしています。こうして、非正規労働者の問題は、労働者全体、さらには国民全体に関わる重大な問題となっているのです。

 日本弁護士連合会(日弁連)は、2008年の人権大会で、「労働と貧困」をテーマにした分科会を開催し、国内外の実態調査に基づいて、非正規労働者の無権利状態の改善を求め、そのために、有期雇用の制限や労働者派遣法の抜本改正などの提言を全会一致で決議しています。さらに貧困と人権に関する委員会が設置され、非正規労働者の権利を確立するための取組が始まっています。

 私たちは、こうした非正規労働問題を「労働のあるべき姿」という視点に立って、抜本的、かつ長期的視野にたって解決しなければならない考え、非正規労働者の権利の実現を支援し、権利拡充を根本的に図るための研究と交流を進める全国会議として、「非正規労働者の権利実現全国会議」(略称「非正規全国会議」)を結成することにしました。

 この非正規全国会議は、非正規労働をめぐる①調査・研究とその交流、②立法・制度案、法的救済策の検討、③情報の提供、普及、広報などの活動を通じて、非正規労働者の雇用と暮らしの質を高め、権利の実現に貢献することを目的とします。

 具体的には、世界的不況の下で各国で進められている非正規労働者のための制度や対策の研究、派遣労働・有期雇用に対する適切な法規制のあり方、同一労働同一賃金の考え方、非正規労働者と社会保障制度の関係など、非正規労働の権利保障をめぐる多くのテーマについて、専門的な調査研究や研究交流のために、研究者、法律実務家などを中心に活動を進めていきます。

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呼びかけ人

 浅倉むつ子(早稲田大学大学院法務研究科教授)
 有田謙司(専修大学法学部教授)
 木下秀雄(大阪市立大学法学部教授)
 杉村宏(法政大学大学院人間社会研究科教授)
 西谷敏(大阪市立大学名誉教授)
 布川日佐史(静岡大学人文学部教授)
 脇田滋(龍谷大学法学部教授)
 和田肇(名古屋大学大学院法学研究科教授)
 大脇雅子(元参議院議員・法政大学講師)
 宇都宮健児(東京弁護士会)
 上条貞夫(東京弁護士会)
 木村達也(大阪弁護士会)
 竹下義樹(京都弁護士会)
 尾藤廣喜(京都弁護士会)
 宮里邦雄(東京弁護士会)
※肩書きはいずれも2009年11月22日、当全国会議設立当時のもの


活動内容

1.全国集会
2.非正規労働者問題研究会
3.立法・政策提言

など、さまざまな活動を行っています。

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■非正規労働者の権利実現全国会議規約

2009年11月22日成立
2010年12月11日改正

第1条(名称・所在地)
 本会は、非正規労働者の権利実現全国会議(略称・非正規会議)と称する。
 本会の事務所は、事務局長の事務所におく。

第2条(目的)
 本会は、派遣、有期雇用、パートタイマーなど「非正規雇用」労働者の権利保障のために、非正規労働者の直面する権利侵害からの救済をめざし、労働者個人、労働組合、その他の諸団体と研究交流をはかり、非正規労働問題の根本的解決とすべての労働者の労働権の実現、保障のための諸政策への提言、立法提案などを行う。

第3条(会の活動)
 本会は、
(1)「非正規雇用」労働者の立場に立ち、立法、司法、行政手続の過程において、非正規労働者の権利侵害の防止と救済のための研究、交流の活動を行う。
(2)「非正規雇用」労働者の直面する問題の抜本的解決のために、全国、地方のあらゆる労働相談に対し法律的な支援、援助並びに交流の活動を行う。
(3)「非正規雇用」労働者の実態の研究並びに社会への広報、啓発の活動を行う。
(4)「非正規雇用」労働問題の解消のための提言等を行う。

第4条(構成員・加入・脱会及び除名)
(1)構成
本会は、本規約に基づき民主的に運営し、本規約を承認し、本会の目的・趣旨に賛同する学者、法律実務家、市民で構成する。
(2)加入及び脱会の手続き
イ 加入する場合は所定の事項を記入した加入申込み書に会費を添えて申込み、本会総会又は幹事会の承認を得るものとする。
ロ 退会する場合は、その理由を明記した退会届を事務局に提出する。但し、脱会届を提出できない諸事情がある場合は、総会又は幹事会の審議を経て退会を認めることができる。
(3)除名の手続き
総会又は幹事会は本会の目的・趣旨に反する行為を行った会員を除名することができる。

第5条(役員)
(1)本会に代表幹事若干名、副代表幹事若干名、幹事、地域責任者、事務局長若干名、事務局次長若干名、会計、及び、会計監査を置く。
(2)幹事会は幹事をもって構成し、本会職務を執行する。
(3)幹事会は代表幹事より随時招集されるものとする。
(4)本会に顧問、相談役をおくことができる。

第6条(任期)
 代表幹事、副代表幹事、幹事、事務局長、事務局次長、会計、会計監査、顧問、相談役は総会及び幹事会で選任される。但し、任期は2年とし、重任は妨げないものとする。

第7条(職務)
(1)代表幹事は会を代表して会の運営全体を総括する。
(2)事務局長及び副代表幹事は代表幹事の指示に従い、全国の会員の名簿の作成、会員間の連絡、ニュースの作成、情報の交換など本会の日常職務を執行する。
(3)事務局次長は事務局長を補佐し、本会の日常職務の執行を補佐する。
(4)地域責任者は幹事会で定める当該地域における連絡及び本会の決定に基づく職務を執行する。
(5)会計は本会の会計業務を担当する。

第8条(会計監査)
(1)本会に会計監査2名をおく。
(2)会計監査は会計・経理の監査にあたり、総会にこれを報告する。

第9条(会計)
(1)本会の会計年度は1月1日より翌年12月31日迄とする(但し、創立年は翌年の12月31日までとする)。
(2)本会の会計は会費・寄付金及び各種出版物の販売代金をもって充てる。
(3)会費は次の通りとする。
弁護士 年額 1口 金5,000円 弁護士以外 年額 1口 金2,000円

第10条(総会)
(2)幹事会の決定により年1回定期総会を又必要により臨時総会を開催する。
(2)総会は本会の意思を決定する。その決議は出席者の過半数の賛成によるものとする。

第11条(効力)
 本規約は、2009年11月22日より効力を生じる。

以上


■人事体制

代表幹事 脇田滋
副代表幹事 竹下義樹、猪股正、中村和雄、棗一郎
事務局長 村田浩治
事務局次長 小野順子
会計 小野順子
会計監査 新里宏二

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