2021.5.4
第4回は3月4日午後6時開始、約50名が参加しました。
「官民の非正規労働問題-制度格差と共闘の必要性を視野に入れて」と題して、北海学園大学教授の川村雅則さんに講演いただきました。
川村さんは、現代日本で起きている労働問題、とりわけ非正規公務員など自治体が作り出す官製ワーキングプア問題の調査・研究に力を入れておられます。
講演では、非正規雇用の中でもとりわけ非正規公務員は、雇用不安、低く不公正な賃金、非正規ゆえの権利行使の困難・排除という、民間と共通した問題に加えて、その地位が「雇用」とは性質の違う「任用」(という解釈が支配的)となっている問題、さらに労働基本権が制約され、近年民間非正規労働者について制定された無期転換や待遇差別是正等に関わる法律も非正規公務員には適用されない等、より不安定、制約された立場にあることを説明いただきました。
非正規公務員の権利実現のため、まずは無期転換や待遇差別是正等に関わる法律がある民間非正規労働者がそれらを活用して権利実現を前進させ、非正規公務員がそれらの権利も剥奪されていることを明らかにすべきではないかというお話がありました。
①合理的理由なき有期雇用(有期雇用の濫用)をなくす、②低く不公正な賃金問題を是正する、③労働基本権付与という課題を視野に入れつつ、労働条件決定への労働者の参加の具体化(組合・職員団体への包摂)について、労働組合で、また非正規会議や官製ワーキングプア研究会等のようなネットワークで、「『調べる』(実態等の調査)を基礎に、つながる・つなげる、取り組む」べし!というお話でした。
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