2/18、新春の連続ZOOM学習会・第3回を開催。龍谷大学准教授の安周永さんに講演いただきました|非正規労働者の権利実現全国会議

2/18、新春の連続ZOOM学習会・第3回を開催。龍谷大学准教授の安周永さんに講演いただきました

2021.4.27

非正規労働者の権利実現全国会議

第3回は2月18日午後6時開始 約50名が参加しました。

「非正規労働者の権利実現運動のあり方―日韓の比較を通じて」と題して、龍谷大学准教授の安周永さんに講演いただきました。

安さんは、韓国の大学を卒業された後、京都大学に留学し、日韓の労働運動の比較研究を行い、そのまま日本の大学で研究者としての職を得て、研究を続けられている方です。

韓国の民衆運動では、2016年から2017年にかけての「ろうそく革命」が有名ですが、それ以前からも、非正規雇用労働者に対する法的保護を強化するための様々な運動が盛んでした。韓国の非正規雇用労働者保護の運動は、2年以上の有期雇用契約は無期雇用契約と見なされるなどを内容とする2006年非正規職保護法や、2018年から2019年における最低賃金の大幅引き上げなどの成果を挙げています。

ろうそく革命後の2017年大統領選挙では、実現時期については差があったとしても、全ての候補者が「最低賃金1万ウォン」(日本円で概ね1,000円)の実現を公約にしていました。それは、韓国の労働運動・市民運動の盛り上がりが、全ての候補者にそう言わせたものと評価できます。

安さんからは、このように運動が盛り上がる背景、その背景事情の日韓の違いについてお話しいただきました。韓国の運動の成功には、労働組合間や労働運動と市民運動の間の連携、非正規雇用労働者の当事者たちの取り組みから出発した運動が既存の労働組合を取り込んでいく「個人から組織へ」の運動など、日本においても参考になる点が沢山ありました。

安さんのお話で印象深いのは、日本から見れば「成功している」と思える韓国の運動も、韓国で運動する当事者は成功したとは評価していないとの点です。非正規雇用労働者の権利向上のためには、それだけ強い姿勢での運動の継続が必要なのだと痛感させられます。

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