2021.4.20
第2回は2月4日午後6時開始約60名が参加しました。
「女性非正規労働者の現状と課題是正のために」と題して、ジャーナリストの竹信三恵子さんに講演頂きました。
竹信さんは、統計を駆使し、それに加えて現場の具体的な声や体験を紹介もしながら、コロナ禍の中での女性の非正規労働者の現状を告発するお話をしてしていただきました。
コロナ禍が女性の非正規にどんな影響を与えたのか。2020年3月の政府の労働力調査には、女性非正規労働が、前年同期比で29万人も減少しており男性非正規と比較しても減少幅がきわめて大きいことを示していること、コロナ禍が、女性非正規雇用が脆弱で不安定であることを浮き彫りにしたことを指摘されました。
また、コロナ禍が、対人サービス業界を支える女性労働への影響が大きかったこと、その一方でコロナ禍で重要性がますます明らかとなったエッセンシャルワーク分野で多くの女性労働者が大きな役割を担っているにも関わらず、在宅ワークから非正規が外されるなど安全配慮の面でも差別的扱いを受けていることや、非正規が多いシングルマザーが深刻な影響を受けていること明らかにすると共に、これまで「夫セーフティネット」と表現される家計補助的労働として位置づけられてきた法政策が時代にそぐわなくなったことが顕わになったということです。女性非正規の現状を変えるために「夫セーフティネットから法的セーフティネット」への転換が必要だという実践的な課題が指摘されたと思います。
コロナ禍で、あぶり出された脆弱なセーフティネットを整備していく課題は、男女を問わないものですが、エッセンシャルワークを支えているという役割に比べてもきわめて不平等な扱いを受けている非正規女性労働者には、法的セーフティネットの拡充は重要で、非正規労働者全体にとっても重要な課題です。
参加者からの質問や意見も多数寄せられ、1時間半という時間の中では、すべての質問を取り上げらきれない程で、ウェブ方式であるにも関わらず、熱気あふれる講演会でした。
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