冨田真平
2020.7.21
雇用保険法の臨時特例法の成立により休業支援金という制度が新しく創設されました。
これは、今年の4月1日以降、事業主から休業手当を受けることができなかった中小企業の労働者が、直接申請して支援金(休業前賃金の8割(日額上限1万1000円))を直接受けることができるという制度です。
7月7日にようやく申請手続きが公表され、7月10日から郵送による受付が開始されております。
詳細は厚労省のホームページをご覧下さい。
https://www.mhlw.go.jp/stf/kyugyoshienkin.html
この制度の対象になる方は、
です。
1.事業主の指示による休業
事業主の指示により休業していることを証明する必要がありますが、事業主が休業証明を拒む場合には、申請にあたってその旨申告すればよいとされています。
ただし、その場合、労働局から事業主に対して報告を求め、事業主から回答があるまでは審査ができないとされており、支給までに時間を要する可能性があります。
対象となる休業は、「4月1日から9月30日まで」の休業で、短時間休業なども対象になります。
複数の事業所で働いている場合、複数事業所の休業についても申請可能です。
ただし、申請時に複数事業所分の情報をまとめて申請する必要があり、1つの事業所の分を申請した期間については、後で別の事業所の分の申請ができませんので、この点は注意が必要です。
2.当該休業に対して休業手当が受けられない
当該休業期間に休業手当として何らか支給されていると、たとえ支給されている休業手当の金額が法定未満(6割未満)であったとしても対象にはなりません。
他方で、休業手当が支払われている期間があったとしても、休業手当が支払われていない期間があれば、この休業手当が支払われていない期間については対象になります。
3.中小事業主に雇用される労働者
中小事業主の範囲は以下のとおりです。
派遣先の都合で派遣契約が解除されてしまった場合、派遣元事業主の指示により休業しており、休業中に休業手当が受けられない労働者であれば、対象となります。
また、派遣契約が終了しても、派遣元事業主が労働契約を継続させた上で労働者を休業させ、休業手当を支払っていない場合には、対象となります。
日雇労働者は雇用関係が継続していない場合は対象となりませんが、実態として更新が常態化しているケースでは、対象になる可能性もあります。
フリーランスとアルバイトを兼業している人が、フリーランスとして持続化給付金を受給していたとしても、アルバイトについて休業支援金の要件を満たす場合はその部分は対象になります。